令和2年12月
藤井 旭
当社は、建築方式として、CM(Constraction Management)方式を推奨しています。CM方式の最大の特徴は、従来の設計者、監理者、請負者に加え、CMr(Constraction Manager)が建築プロジェクトに深く関わる点です。CM方式においては、様々な手法が提唱されていますが、当社では、発注者の直営工事(分離発注方式)をCMrが支援する、CM分離発注方式を特に推奨しており、CM分離発注方式を行う実務者、専門業者、そして発注者を支援しています。
これまで、新築、改修を含め、5000件を超える建築がCM分離発注方式で工事されてきましたが、住宅を中心とした小規模な建築が多数を占めています。その多くは、設計監理者がCMrを兼務するDM(Design&Management)方式によるもので、設計事務所の新しい職能になると期待され、導入されてきました。また、設計監理者とは別にCMrをたてるピュアCM方式によるCM分離発注方式の採用も増えつつあります。
CM分離発注方式での建築を成功に導く為に重要なポイントはいくつかありますが、特に重要な二つを挙げさせていただきます。一つは、設計監理者、専門業者、発注者、そしてCMrの立ち位置を明確にし、ルールと役割分担を決めることです。一括発注方式では、請負者である建設会社が存在しないので、建設会社が担っている役割や責任を整理し、誰がその役割を担うのかを決め、責任をもって実行する必要があります。もう一つはCM分離発注方式におけるリスクを整理し、関わる人の理解です。CMr、専門業者のリスクはもちろんの事、発注者にも一定のリスクがある事を説明し、理解してもらわなくてはいけません。更に、リスクへの備えも不可欠です。
このwebサイトでは、発注方式を比較し、それぞれのメリットやリスクを解説しています。一般社団法人 日本CMRサポートでは、CM分離発注方式の実務を行う上で必要な資料、例えば、工事分割請負契約書や、工事分割請負工事契約約款、発注者、専門業者への説明資料等を準備して提供しています。またCMr、専門業者、発注者にかかるリスクにどう備えるか? 具体的な方法を準備しています。
是非、CM分離発注方式を新たな選択肢に加えてください。