History | イエヒト

Live my Dream

I want to live my life as who I am.

ヒストリー

As who I am

株式会社本間総合計画
本間貴史さん

「発注者の思いを徹底して追及する建築家でありたい」
新築でも改修でも建築のことは何でも頼める町医者のような建築家を目指していた
私にとって、発注者の思いに寄り添うたびにぶつかる壁がありました。
CM分離発注方式の導入は、その壁を打ち破るきっかけになりました。

本間さんは2001年よりCM分離発注方式に取り組まれてきましたが、そのきっかけを教えてください。
2000年に焼き肉店の建設工事を行ったのですが、私が現場に行ったところ、設計と違う塗料が塗られていました。設計ではクリア塗装でしたが、現場では着色する塗装がされていました。そこで現場監督に、なぜ設計と違う塗料が塗られているのか聞くと、工程が逆転し、先に壁の仕上げを先行してしまい、その結果、壁仕上げに影響が少ない塗料に変更したということでした。私はガッカリし、現場監督の存在に疑問を抱いたわけです。その頃、仙台で建築士による講演会がありまして、そこでCM分離発注方式について触れられたんです。住宅くらいならば、総合建設業者を入れないでバラバラに専門工事業者に発注するやり方も面白いよ、と。そこから興味を持ってすぐにインターネットで調べ、勉強会に参加したという流れです。
CM分離発注方式は、CMrを行う設計事務所(建築士)と発注者のコミュニケーションが重要になってくると思います。そのコミュニケーションにおいて、本間さんが気を付けていることはなんですか?
私は、まず発注者への説明責任をきっちりと果たすことを最優先にしています。リスクなどのデメリットも何度も説明していますし、その上で業務全体をガラス張りにすることで、発注者の意思決定を支援するように努めています。特に工事段階では、メーリングリストを活用して工事関係者全員同時にメール配信することで、情報の共有を図っています。各専門工事業者と我々建築士は当然として、私の事務所では発注者にも参加してもらいます。そこには隠し事など何も存在しません。毎日のように工事の進捗がわかる写真が配信され、工程表や是正の指示・設計変更なども配信し共有されています。
 
CM分離発注方式では、発注者にどの程度の建築の専門知識が必要になりますか?
ほとんどの部分で、私たち建築士が発注者に代わって支援をしますから、それほど必要ではありません。専門工事業者に見積もりを取ったり、契約書の事前準備などをはじめ、さまざまなことを私たちがサポートしています。
 
では、発注者は意思決定の役割を担うわけですね。
そうです。あとは発注者の大変な作業というと、専門工事業者に工事代金を振り込むときですね。一括発注であれば1社で済みますが、行われた工事の分だけ、毎月振り込むことになります。
 
発注者は家づくりに深く関わっている気持ちが持てそうです。
「一緒になって家を建てたという実感がわきます」といった言葉はよくいただきます。。特に、過去にハウスメーカーや工務店と家づくりした経験がある方ほど、「一緒につくった」という印象を持たれるようですね。日本の耐震基準は1981年と2000年に大きく変わっています。皆さんに私がお勧めしたいのは、リフォームでも2000年の耐震基準で考えた上で、建築基準法の1.5倍以上の余力を持った耐震設計とすることです。また新築の場合は「壁量計算」ではなく「許容応力度計算」という構造設計方法で設計した上で、耐震等級3相当の性能を確保することを強くお勧めします。住宅は、大切なご家族を守るシェルターですから、ぜひ実行して頂きたいと思います。
最近、書籍『理想の注文住宅を建てたい』を執筆されたようですが、どのような方に読んでほしいとお考えですか?
住宅や施設などの建設を考えている発注者に読んで頂きたいです。きっと、「こんな方法もあったのか」と新たな気づきを得て頂けると確信しています。CM分離発注方式は新築やリフォームなど様々な工事に対応できますし、様々な用途の建設が可能です。一方で、特有のリスクもあります。リスクの部分は本書に詳しく書いていますので、ぜひ手に取って読んで頂けたら嬉しく思います。またCM分離発注方式に興味のある建築士の方にも読んで頂きたいと思っています。私が使用している業務書式や業務手順なども可能な範囲で公開させて頂きましたので、非常に参考になると考えています。分割工事請負契約約款や建物補償制度などCM分離発注方式に欠かせないものが見えてくると思います。
 

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